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朝からメッセージ

f:id:barussnn127:20150501070625j:imageニコ・ロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ‼︎『
飛行機の中で見た映画『セッション』(原題Whiplash)のシーンがプレイバックして離れない。つまりは、良い映画だったということだろう。仕事の合間に街を歩き、映画館の前を通ると、『セッション』のチケットが「売り切れ」になっていることが多い。ヒットしているのだろう。

『セッション』は、脚本的には荒削りの点がいくつかあると思うけれども、何よりも、ドラムスを始めとする楽器の演奏シーンと(この描写の映像と音の迫力は忘れがたい)、音楽学校の教師であるテレンス・フレッチャー役のJ・K・シモンズの名演技があまりにも素晴らしいので、少々の欠点は関係ない。

J・K・シモンズフレッチャー教授ははまり役で、容赦ない音楽追求は、日本スポ根を思わせる魂の演技だが、アカデミー助演男優賞に輝いた。長い役者生活で、このような役に出会えるというのもひとつの運だろうし、それを活かせるのも才能かつ生き方だろう。少額予算映画が、大きな舞台に出た。

ところで、『セッション』のことを思い出していると、一つのフレーズが頭をよぎる。Be Here Now.今、ここにいること。同名タイトルの本もあるようだが、読んだことはない。一般的概念として、Be Here Nowということが、『セッション』の魅力を表すのかな、と思う。

Carpe Diem、Seize the day、今を生きる、という言葉もある。Be Here Now.今、ここに没入すること。それが幸せへの道だし、フローやゾーンと言われるように、最高のパフォーマンスへの道だが、なかなか気づきにくい。そして、音楽は時に覚醒させてくれる。

すばらしい音楽は、その音楽が流れている時間の中に没入することを教えてくれる。 『セッション』もそうだったし、先日のポール・マッカートニーの武道館公演も、思い起こさせてくれた。Be here now。シンプルな真理だが、音楽という贈り物が、忘れかけていた故郷を思い出させる。

保坂和志さんが、小説はそれを読んでいる時間の中にしか存在しないという。つまり文字列も、脳の中で一種の音楽に変換されるときは、Be here nowである。映画を見る時間と、そこから回帰した日常の時間。今、ここにあること。まだしばらく、『セッション』やもろもろが私の横にいそうだ。』