ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『
ところで、「空気を読む」と言っても、その「空気」なる文脈は、どのようなコミュニティに身を置くかで異なる。「空気」からの同化圧力も、変化する。
たとえば、周囲と合わせるのがよしとされるコミュニティもあるだろうし、逆に他の人と違ってこそ価値がある、というコミュニティもある。その二つで、「空気」は違う。
コミュニティを移動すると、「空気」も変わる。この世に、「空気」は一つしかないのだという思い込みから解放される。だからこそ、旅することや、社会的移動を続けることは、大切なのである。
一般の人が興味を持たないようなことに関心がある人は、常に「普通になれ」という同化圧力にさらされる。しかし、同好の士の間に入ると、逆に「もっとやれ」「そんなものか」という疾走圧力にさらされる。空気が一変する。
世の中で新しい動きが起こる時に、しばしば集団現象なのはそのためで、世間の「空気」とは異なるローカルな「空気」が生まれることで、特別な進化が始まるのである。そのコミュニティに身を置くことが肝心になる。
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